リングのサイズ直しは、指輪を作る場合は知っておいた方が良い技術の一つです。サイズを小さくしたい場合と、大きくしたい場合があります。
小さくしたい場合は、地金を切り取りロウ付けをしなおします。大きくしたい場合はリングを切断して地金を足してロウ付けしなおします。
大きくしたい場合には、リングの地金を叩いて延ばす方法もあります。指輪を芯金棒に入れて、指輪の腹側(指にはめたとき掌側)を木槌やオタフク槌で叩いて延ばします。
この方法は、地金が叩いた分薄くなること、叩いた痕が残るので細工がしてあるものには使えないことが難点です。
石の入ったリングのサイズ直しをする場合、石に熱を加えないように注意しなければなりません。
石に熱を加えると割れてしまったり、色が抜けてしまったりします。
プラチナや金の場合は石の部分を専用の断熱材や、水に浸した布で覆ったり、水に浸けたりしてロウ付けする方法があります。
プラチナや金の場合は石をはずさずにロウ付けすることが可能ですが、シルバーの場合は熱伝導率が高いため石をはずさなくてはなりません。
爪留めの石ははずすことが出来ますが、覆綸留めされた石ははずすことが出来ません。
基本的に覆綸留めのシルバーリングはサイズ直しは出来ません。(T T)
専用工具(RING STRETCHER)を使えば石付き・模様付きのリングを変形させること無く1-2番大きく出来ます。
小さくしたい場合であれば リングの内側に取り付けるアタッチメント
を利用すると良いでしょう。
CARE06 ピタリング | 石はずし器 | 指輪延器 RING STRETCHER |
ちょっと裏技ですが簡単な方法があります。地金の厚さや太さにもよりますが、半番〜1番ぐらいのサイズなら大きくすることが可能です。
大きくしたいリングを芯金棒に入れて、芯金棒を木台等に立てた状態でリングの側面に木タガネを当てて金槌又は木槌で叩きます。芯金棒をまわしながら芯金棒の太い方に向かってリングを嵌め込むように叩きます。(たまに上下を入れ替えます。) すると少しづつ大きくなります。しかも地金を直接叩かないのでリングに傷が付かない!表面に細かい細工があっても大丈夫!基本的には、石付きのリングは出来ませんが、デザインよっては出来るものもあるかも・・・。石が付いていない指輪は焼きなましをするともっと大きく出来ます。 使用する木タガネはあまり硬くない木地で、成形する前の角があるものが良い。要はただの木片です。^^使っているとどんどん角が落ちていくので切るか、ヤスリを掛けるかして角を出しておきます。
この方法は、サイズ直しだけではなくリングを作る過程でロウ付けした後に微妙なサイズ合わせをする際にとても有効です。叩いて地金を延ばしてサイズ合わせをすると叩いた槌目を取る作業が増えますが、上記の方法ですと手間が省けます。^^
※地金を延ばしてサイズ直しをする場合、ロウ付けが甘いと割れるかもしれません。^_^; シルバーの場合は、ロウ付け部分は5分ロウ以上のロウを使用してあることが重要です。7分ロウや早ロウは展延性が悪いので叩いたときに割れる恐れがあります。